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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第十九回 「AA 研究科をフィールドワークする」
 
 

Contents

1.AA 研究科?

2.経典仏教と実践仏教

3.裸の王様

4.アリとキリギリス

5.昆虫図鑑

6.それぞれのオート・クチュール

7.専攻のこと、講座のこと

8.ドラゴン・クウェスト

9.鏡よ鏡

10.侃々諤々

11.一期一会

  

11.一期一会

 辞典によれば、一期一会とは、「茶道で、客との出会いは一度限りのものであると考え、心をこめてもてなすようにと教える心得」とある。一度限りならば適当にもてなせば、とも思うが、一度だけの掛け替えのない出会いであると思えばこそ、それに相応しい、衷心からのもてなしをしようとの心遣いが生まれる、ということなのだろう。ちなみに、他の辞典を調べると、「一生に一回しか会う機会がないような、ふしぎな縁」とある。

 考えてみれば、教師と学生の関係も不思議な縁である。農学研究科、経済学研究科などではなく、どうして地域研究研究科に入学したのか、この問いをここで再び取り上げるつもりはない。ただなんとなく、との応えでもとりあえずは構わない。ドラゴン・クウェストで大事なのは、ゴールではなくクウェストの過程だともいえるのだから。いずれにしても、「地域研究」という場のもと、特定の時間、特定の空間にお互い居合わせたからこその縁である。それぞれのやり方で、この縁は大切にしたい。教育も、研究も、フィールドワークも、こうした不思議な縁の連鎖のうえに成り立っている。