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第228回 「メルマガ写真館」

第228回 「メルマガ写真館」
「必要な資源はすぐそばに-村の暮らしから私生活を回顧する筆者」
田中香帆(東南アジア地域研究専攻)

 ネパールのドルポ地方では、家畜を中心とした生活が営まれています。私が滞在した村では、家畜の糞が生活を支える重要な資源の1つで、糞を肥料として活用していました。野外に落ちている大量の糞を籠に集める村の人々の姿を見かけたときは、印象的でした。家の造りを見ても糞の重要さが伝わってきました。家屋の1階は家畜収容スペースで、床には糞と松の葉が堆積し、自然と肥料となる仕組みができていました。家そのものが小さな循環システムになっているようでした。また、人の糞も肥料だったと聞き、ハッとさせられました。人間とは本来自ら資源を生み出す存在であると同時に、日常の中で自然とのつながりを見失っていた自分にも気づかされました。こうした循環の中で、「人間」も欠かせない要素であることを実感しました。



写真1 村内で放牧中の馬とカッツァル(馬とロバのハイブリッド)


写真2 家屋1階の家畜スペース 複数頭の牛


写真3 家畜スペースの地面 松の枯れ葉が敷かれている

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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