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院生の山本直輝さんの記事が現地のニュースサイトに掲載されました

臨地支援センターのC&Mプログラムの支援により、インドネシアで国際シンポジウムを開催した際に、会議とグローバル地域研究専攻の山本直輝さんの研究についてのインタビュー記事がインドネシアのニュースサイト “IslamIndonesia”に掲載されました。

http://islamindonesia.id/berita/wawancara-naoki-yamamoto-kuncinya-front-bersama-tasawuf-sunni-syiah.htm

Indonesian Islamインタビュー概要
山本直輝

 インドネシアのジョグジャカルタで行われた国際シンポジウム”Revisiting Sunni and Shia: Thoughts, Spirituality, and New Movements (スンナ派・シーア派再訪―思想・スピリチュアリティ・新運動”には少なくとも30人の研究者が世界各国から参加した。
京都大学のカイイム山本直輝氏もその参加者の一人である。山本氏の研究対象であるトルコのイスラーム思想家イマーム・ビルギヴィー(1573年没)は、17世紀のオスマン帝国におけるイスラーム改革運動「カドゥザーデ派」に影響を与えたことで知られている。
 山本氏によると、ビルギヴィーは、イスラームの聖典であるクルアーンと預言者ムハンマドの言行録ハディースを基礎とした倫理書『タリーカ・ムハンマディーヤ(預言者ムハンマドの道)』を著したイスラーム思想家である。ビルギヴィーは主著の中で当時のムスリム社会を厳しく批判し倫理の体得を重んじるスーフィズムを基軸としたイスラーム改革を訴えている。

 山本氏はインドネシアのニュースサイトIndonesian Islamのインタビューの中で、ビルギヴィーに興味を持った経緯、イスラーム思想におけるスーフィズムの役割、現代社会におけるスーフィズムの可能性などについて答えている。トルコのイスタンブルで活動するスーフィー指導者からスーフィズムを学んだ経験も持つ山本氏は、ビルギヴィーの言葉を引用しながら、スーフィズムの精髄とは「アッラー以外の何ものにも仕えず自由(アラビア語でフッリーヤ)であること」とし、宗教的権威からの解放を説く世俗的「自由」とは異なる価値観がイスラームにはあることを説明している。一方で現代イスラーム世界の現状は、このようなスーフィズムが説く「自由」からは程遠いことを指摘している。また、アッラー以外のすべての権威から解放されることを説くスーフィズムの教えは、様々なストレスを抱えて生きている日本人にとっても有益であるはずだと、現代社会におけるスーフィズムの可能性について触れている。今回の国際シンポジウムは、現在世界各地でスンナ派・シーア派の衝突が深刻化する中で、共存の可能性を探るべく「スンナ派・シーア派の思想・実践を再訪(revisit)」することを目的としているが、山本氏はスンナ派・シーア派はお互いに争うべきではなく、共に腐敗した権威に抗う目的において本来は一致するはずだと答えている。

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