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第229回 「メルマガ写真館」

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「消えゆく氷と湖」
吉田巖嗣(グローバル地域研究専攻)

「ここには10年前までは湖があった、氷もあった」とB. ラマ氏は言いました。わたしたちは東ネパール、ヌンブール・ヒマールのふところに抱かれた氷河湖の縁から、干上がりかけた谷を見下ろしていました。ドゥックンダ(乳の池)とよばれるこの湖の一帯は、人里離れた標高4,600mの高地に位置しますが、毎年夏にはシャーマンに先導された人びとが集まり、祭礼を繰り広げる場でもあります。足元をみると、岩と砂のあいだに亀裂が走っています。氷が溶けたせいか、岩が動き出しているというのです。 この湖の縁がひとたび決壊すれば、ドゥックンダの水は隣の涸れ谷へとあふれ出してしまうでしょう。B. ラマ氏はそのことを不安げに語りました。

ドゥックンダ、乳の池

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