ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第五回 「地域研究で 開けゴマ
東南アジア地域研究専攻 古川久雄(生態環境論講座) 
 
 

Contents

地域研究への誘い

地域

フィールドワークと直観的観相

<自然地域>の相と<メタ地域>の相

<寄生メタ地域>の暴走に歯止め

1、地域の単位−今西錦司の示唆

1-2、今西錦司の生物社会の見方

1-3、岩田慶治の指摘

1-4、生物のホメオスタシス

2、高谷好一の「世界単位」

2-2、「世界単位」の概念

2-3、腑に落ちない点

3、地球単位

3-2、「地域種社会」と「地球単位」

3-3、<寄生メタ地域>

4、地域研究の存在理由

  

今西錦司の生物社会の見方

 ここで今西錦司の生物社会を見る見方が大変示唆的だ。次ぎのように彼は言う.自然のなかの生物はまずすべて個体という姿をとっている。種個体である。そしてそれら種個体は全体で種社会を構成し,それに帰属性をもつと同時に、種社会の維持存続に貢献している。更にすべての種社会は生物全体社会という構築物を作ると言う。今西錦司が生物社会について唱える階層構造は、人間と自然二つが一つになって作る地域と言う場にも似た関係があり、地域にも種個体や種社会に相当する形があるようにおもう。

7 チベットや新彊省も政治的には中国領だが、世界単位や後述する地域種社会区分にとって、中華と一つと見るか別と見るか、難しい問題だ。カシュガルに在る11世紀の聖者墓廟の参詣者達は上海を知らず、中国にではなく、トルコへの帰属意識を語った。この聖者はトルコ・アラブ辞典をバグダッドで出版したそうである。

(ズンガリアの氷河湖と草原放牧)

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