ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第五回 「地域研究で 開けゴマ
東南アジア地域研究専攻 古川久雄(生態環境論講座) 
 
 

Contents

地域研究への誘い

地域

フィールドワークと直観的観相

<自然地域>の相と<メタ地域>の相

<寄生メタ地域>の暴走に歯止め

1、地域の単位−今西錦司の示唆

1-2、今西錦司の生物社会の見方

1-3、岩田慶治の指摘

1-4、生物のホメオスタシス

2、高谷好一の「世界単位」

2-2、「世界単位」の概念

2-3、腑に落ちない点

3、地球単位

3-2、「地域種社会」と「地球単位」

3-3、<寄生メタ地域>

4、地域研究の存在理由

  

地域研究の存在理由


 これらの、「世界単位」=「地域種社会」と「地球単位」が地球全体社会の秩序へ何を貢献して来たのか、どこが何をどのように歪めてきたのか白日のもとに腑分けし、未来の展望を開きたい。「寄生メタ地域」が地球の破壊をもたらさないようにする方策は何か、全体の関係性の中で明らかにすることが地域研究の存在理由だと思う。その営為のエネルギーはどこから汲み上げるのか。巨大、精緻、不可思議な自然と、人間の美しさ、醜さ、誠実さ、汚さ、はかなさ、根強さの絡み合い、つまりは、地域に顕現した地球曼荼羅からだ。地球曼荼羅を見た我々の心に生まれる感動と怒りの領域からエネルギーが吹き上がるのだ。

15 ブラジル高原は巨大なエステートで埋め尽くされている。どこまでも延びる鉄条網で広大な農場を囲い込む。Fazenda〈大地主〉の邸宅は道路から20−30 キロメートル入った奥にある。猫の額ほどの土地で年間7−8作してやっと食っている紅河デルタの農民はこれを見てなんというだろう。

(ブラジル、マットグロッソ州カンポグランデ付近)

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