ASAFAS 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
インターネット連続講座
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  第五回 「地域研究で 開けゴマ
東南アジア地域研究専攻 古川久雄(生態環境論講座) 
 
 

Contents

地域研究への誘い

地域

フィールドワークと直観的観相

<自然地域>の相と<メタ地域>の相

<寄生メタ地域>の暴走に歯止め

1、地域の単位−今西錦司の示唆

1-2、今西錦司の生物社会の見方

1-3、岩田慶治の指摘

1-4、生物のホメオスタシス

2、高谷好一の「世界単位」

2-2、「世界単位」の概念

2-3、腑に落ちない点

3、地球単位

3-2、「地域種社会」と「地球単位」

3-3、<寄生メタ地域>

4、地域研究の存在理由

  

「世界単位」の概念


 「世界単位」の概念が初めて提出された1993年から6年もすぎた今ごろ、寝ぼけた話だが、今西の種社会に相当する単位として、世界単位概念に大賛成である。ところで、「世界単位」が今西の種社会に相当する単位だと言うのは私の解釈であり,高谷自身はそんなことは言ってない。種個体とかんがえているのかもしれないし、今西の生物的自然の話を地域構造に結びつけること自体、ちがう意見かもしれない。しかし、わたしはそう考えてみて、地球の全体像を見とおしてみたいのである。


10 トルコ高原のヴァン湖から山峡を西南へ下ると、ディヤルバキールでユーフラテス河の河谷平野へ出る。メソポタミアである。麦、ピスタチオ、ブドウなどの天水畑が広大な平野に縞模様を描く。穀作農業はここに発生し、全世界にそのインパクトがひろがった。ギュッと密集した都市型集落で、ロゴスの文明も熟成した。

(トルコ、ディヤルバキール)

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