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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第224号

■■■ February 2022 第224号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 977】■■■■■■


__今月号の目次 Contents__________________

□ フィールド便り............. 調査中に出会った宝箱――世界をつなぐ口琴
□ メルマガ写真館............. 天草からの直送便
□ お知らせ............................ オープンキャンパスの開催
□ 講演会・セミナー情報....... 第187回 東南アジアの自然と農業研究会
.............................. MNGD Public Lecture for Social Implementation
.............................. Round-table talk on Fieldwork in Ethiopia
□ 最近の出来事..................... Facebook・Twitter情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「調査中に出会った宝箱――世界をつなぐ口琴」
三宅千夏(東南アジア地域研究専攻)

「びよ~ん」、一度聞くとなんだか耳に残ってしまう、不思議で魅力的な音を出す楽器「口琴」。小さな板や枠についている弁を弾いて振動させ、その振動を演奏者の口から体内に響かせて音を出します。

今回は口琴の中でも、アイヌ民族の「ムックリ」を求めて北海道の釧路を訪れました。
製作者や演奏者の方々にお会いし、とても充実した調査になりましたが、その中でも、ひとつ、思いがけない出会いがありました。

阿寒湖アイヌコタンにある木彫品店でのできごとです。

私がやたらとムックリについて話を聞いていると、お店の方が「私のコレクションを見せてあげる」と、レジの下から、ひとつの紙箱を出してくれました。

なんだろうと思いその箱を開けると、中には、素材や大きさ、形の違うたくさんの種類の口琴が。そして、それぞれに貼られた小さなシールには、「インドネシア ロンボク」「フィリピン」「タイ アカ族」「ラオス」と、東南アジアの国や地域、民族の名前が書かれていました。南インドやヨーロッパのものもありました。
お店の方によると、その口琴の数々は、自分で買っただけではなく、口琴好きのお客さんから送られてきたり、海外の少数民族との文化交流イベントの際にプレゼントされたりして集まったそうです。
まさかアイヌ民族の民芸品のお店で、これほどたくさんの地域の口琴を見ることができるとは思いもしませんでした。私が驚いている様子を見て笑いながら、「私の宝物よ」と。

一国の中ではメジャーな楽器でなくても、世界に広く存在する口琴。
数年に一度、世界大会も開かれています。

同じくアイヌコタンで演奏者の方にお会いした際、「バックパッカーとして海外を旅行したときに、ムックリを10本ほど持って行き、旅行先の地域の口琴と交換をしたり、音を通してコミュニケーションを取ったりした」という面白い経験を伺いました。

楽器本来のユニークさはもちろん、片手に収まる小さな楽器の持つ、文化をも超えて他者とつながることができるという可能性に、私を含め、多くの人が魅了されているのかもしれません。

写真1:民芸店の方の口琴コレクション
写真2:ムックリ(竹製)が作られる様子
手作業のため、物によって厚みや弁と枠の隙間の違いがあり、その若干の違いで音色が大きく変わります。
写真3:民芸店で販売している木製のムックリ(写真中央)
釧路のある道東には竹が生息しないため、昔はサビキという木で作られていました。木は竹ほどのしなりがないので、弁の振動が長く続かず、音もあまり伸びませんが、素朴で味のある音色がでます。
(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/4974445552601757

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「天草からの直送便」
齊藤滉平(東南アジア地域研究専攻)

ここは熊本県天草市にあるクルマエビの養殖場。今日は年末の繁忙期。
エビの朝はなんと言っても早いのです。
 
朝7時。すでに水揚げされたエビが加工場に運ばれてきました。
 
養殖場のスタッフはもちろん、関係会社の社員さん、地元の高校生や子どもたちまで集まって、出荷作業の始まりです。
 
まずは、選別。
水揚げされたエビの色や形、触覚を頼りに
活きエビとして出荷できるのか否かを判断し、次々に仕分けていきます。
冬の水は冷たいのなんの、エビの殻はとげとげしてるのなんの。
そんなことには負けずに次から次に水揚げされるエビを選別します。
 
次は、箱詰め。
エビたちも少し起きてきたせいか、はたまた天草の大自然で育ったせいか、
そんなにじっとしててはくれません。
慎重に、慎重に、おがくずで寝床をつくるも
その尻尾の一振りで、またベッドメイキングが必要。
ふうふう言いながら、一匹一匹丁寧に箱詰めをします。
 
こうしてできあがった活きエビたちは、今日も一人一人の食卓へと
海越え山越え、届けられるのです。
 
天草からの直送便、今日もいただきますをありがとう。

写真1:養殖場のクルマエビ
写真2:天草の滞在地からの風景

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/4974447549268224
(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/


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■ お知らせ Announcements
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□ 専攻別 2022年度 オープンキャンパスの開催
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◆ アフリカ地域研究専攻 第1回オープンキャンパス2022
日時:2022年3月26日(土)14:00-16:30

*オンライン会議システムZoomでの開催となります。    
*詳細情報と申込方法は後日研究科ウェブサイトでお知らせします。

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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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◆ 第187回 東南アジアの自然と農業研究会
日時:2022年3月4日(金)17:00-18:30
講演者:大澤由実 氏(青山学院大学 地球社会共生学部)
題目:味の嗜好と食の選択―タイにおけるうま味調味料の受容と広がり 
参加申込:下記URL(Google form)より必要事項を送信してください。
https://forms.gle/UcMFBCWgQaGqYcXXA
*オンライン会議システムZoomでの開催となります。

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□ MNGD Public Lecture for Social Implementation
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Date & Time: 2nd March 2022, 16:00-18:00 at Japan Time
Title: Higher education and outreach activities in Ethiopia
Lecturer:  Gebre Yntiso, Addis Ababa University
Discussant: Masayoshi Shigeta, Kyoto University
Facilitator: Shunsuke Matsukuma, Kyoto University
Organizers: SATREPS-MNGD[JPMJSA1807]; 
IAfP program in Kyoto University; Center for African Area Studies, 
Kyoto University; [No.20H05806];  [No.18H03444]; 
Inquiry: contact[at]mngd.africa.kyoto-u.ac.jp
Website: https://mngd.africa.kyoto-u.ac.jp/workshop-meeting/publiclectureforsocialimplementation

Application form: https://forms.gle/1tYCtsq2vHYMqKb26
Deadline 26 February 2022
27日以降に申し込みを希望される場合は問い合わせアドレスにご連絡ください。

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□ Round-table talk on Fieldwork in Ethiopia
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Date & Time: 12th March 2022, 17:00-18:00 at Japan Time
Guest Speaker:  Jan Abbink, African Studies Center, Leiden University
Participants:Masayoshi Shigeta, ASAFAS, Kyoto University,
Shunsuke Matsukuma, Kyoto University, 
Eunji Choi, ASAFAS, Kyoto University
Organizers: ZAIRAICHI Research group; SATREPS-MNGD[JPMJSA1807]; 
IAfP program in Kyoto University; Center for African Area Studies, 
Kyoto University; [No.20H05806];  [No.18H03444]; 
Inquiry: inquiry[at]jambo.africa.kyoto-u.ac.jp
Website: https://mngd.africa.kyoto-u.ac.jp/workshop-meeting/roundtabletalk_field-work-in-ethiopia

The website for the registration: https://forms.gle/ZtEKgVFv4HpT2VLRA
Deadline: 28th February 2022

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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早いもので本年度も残すところ一月余りとなりました。この一年を振り返りながら、新年度の計画を立てる時期です。相変わらず海外への渡航が難しい状況が続いていますが、うまく対応しながら研究を進めている方も多いようです。今回のメルマガ写真館とフィールド便りは、いずれも日本国内での調査に基づいたものです。先日開かれた予備論公聴会でも、文献のみを使いながら面白い研究がいくつかありました。もちろん、海外へ調査に行けるに越したことはありませんが、国内で行った研究からも多くのことが得られます。それはきっと今後のフィールドでの調査に活きてくることでしょう。そのようなことを思いながら、自分は来年度に何をしようかと頭をひねっています。(M・Y)
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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFAS キャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
    臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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