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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第240

■■■ June 2023 第240号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,076】■■■■■■

__今月号の目次 Contents_______________

□ フィールド便り..........Road to Qatar 2022
□ メルマガ写真館..........ドバイの現代的モスク
□ お知らせ.............. オープンキャンパスの開催
□ 講演会・セミナー情報.....第260回 アフリカ地域研究会
□ 最近の出来事...........Facebook・Twitter情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「Road to Qatar 2022」
北嶋泰周(グローバル地域研究専攻)

  ネパールの首都、カトマンズに点在する歩道橋の上では多くの露天商が衣服やイヤホン、果物などを販売する光景が見られます。彼らはカトマンズ市警察の取締り対象であるため、何度も巡回に訪れる警官から逃げながら毎日の営業を続ける必要があります。また、ヒップホップシンガーとしても有名なバレン氏が新カトマンズ市長に就任してから、露天商に対する取締りは強化されつつあります。
 ある日、私と二人の露天商は摘発から逃れるために近くの軽食屋に隠れ、警官が立ち去るのを待っていました。すると一人の露天商が「なあ、ワールドカップのチケットがいくらするのか知ってる?」と私に聞いてきました。最初、私には彼が一体何を言っているのか分かりませんでしたが、彼は続けて「来月(2022年10月)から伯父が住んでいるカタールの空港で働くんだ。ワールドカップを見に行けるかもしれないんだよ!」と熱く語り始めました。
 友人と週に3〜4日もサッカーに興じる彼は、イタリアの名門サッカークラブと同じ名前を持つ露天商です。彼は18歳から露天商を始めて9年が経ち、ようやく出稼ぎ渡航の機会を得ることができました。さらに、行き先はワールドカップの開催を2ヶ月後に控えていたカタールに決まるという幸運も持ち合わせていました。私が「空港で勤めるなら、有名なサッカー選手を見かけるかもしれないね」と話すと、彼は「クリスティアーノ・ロナウドが好きなんだ!彼に会えるかな?」「日本代表はすごく良いチームだから応援するよ!」と期待に胸を膨らませながら語ってくれました。
 今日もカトマンズの歩道橋の上では多くの人々が商売を続けています。生活費の足しにする者、学費を稼ぐ者、出稼ぎの資金を貯める者、理由は人それぞれです。おそらく当時の彼の頭の中には、出稼ぎに行くことができるという喜びではなく「ワールドカップを見ることができるかもしれない!」という興奮に近い感情しかないようにも見えました。
 少年時代に本気でサッカー選手を目指し、一度はワールドカップを見に行きたいと思っている私にとって、カタールへの道が見えていた彼は少しだけ羨ましくもありました。
写真1:露天商が集まる歩道橋の一つ
写真2:摘発から逃げる露天商
(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02mM52v8QV4qBMJBhMysK21R5WTxNC2VJKjtMWufkB5beViw7D2PgXRuLnU3UZPLxkl


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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「ドバイの現代的モスク」
中鉢夏輝(グローバル地域研究専攻)

  ドバイのモスクと聞くと、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。大きなドームや豪華絢爛な装飾が思い浮かぶかもしれません。今春、筆者が見たのはそのイメージとは異なるモスクでした。ドバイの街を歩いていると、単色で、無機質で、遠くから見たらただの箱に見えるデザインのモスクがちらほらと見られたのです。近くに寄ると、まだらのように穴が空けられた天井や壁から自然光や風の通り道を感じました。これは「マシュラビーヤ」という主に中世の中東諸国で用いられていた格子窓を現代建築に採り入れたものです。効率的、でも神秘的———設計者たちはこの実践を伝統的イスラーム建築の再解釈と捉えています。素材や流行が転じても残り続ける設計者の意匠もまたイスラーム建築の伝統なのかもしれません。

写真1:ドバイのショッピング・モールに設置されたDIFCグランド・モスク
写真2:女性建築家スマヤ・ダッバーグにデザインされたガルガシュ・モスク


(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid07hCNSbsRtgCxjAUNHLiVfHEmzY2N1ysyrBXnRJ1agQVnVr1zqrQUYJMKDVwKgVEcl

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/


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■ お知らせ Announcements
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□ 専攻別 2023年度 オープンキャンパスの開催
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◆ グローバル地域研究専攻 第2回オープンキャンパス2023(オンラインZoom開催)
日時:2023年7月1日(土)13:30-
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-global2023july/


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■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars
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□ 第260回 アフリカ地域研究会
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日時:2023年7月20日(木)15:00-17:00
演者:森口 岳(東洋大学アジア文化研究所・客員研究員/東京農業大学・早稲田大学・駒澤大学・兼任講師)
演題:女たちは逃げ、踊る:ウガンダ、カンパラにおけるバーガールたちと都市人類学の手法

主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター、日本アフリカ学会関西支部
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/research/as

*お申し込み
京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 + Zoomオンライン
(感染症の状況によってオンラインだけの開催に変更する場合があります。
開催方法は、開催2週間前までに当センターHPにてご案内いたします。
https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/)


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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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 先日、東山にあるネパール料理屋さんに行きました。フィールド調査から帰ってきてそろそろ3ヶ月、突然ネパールのおやつが食べたくなったのです。
 食べたのは、モモとパニプリ。モモは蒸し餃子です。パニプリはじゃがいもなどの具材が入った空洞の揚げ菓子で、酸っぱい汁を注いで食べます。
 汁がこぼれないように一口で口に放り込むと、口の中いっぱいに酸味が広がります。ネパールのバクタプルという街のバス停の近くの屋台で、友人とパニプリをのんびり食べた夕刻を思い出しました。   (Y.T.)


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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
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