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第200回 「メルマガ写真館」

第200回「メルマガ写真館」
「大きな木の下で」
新川まや(アフリカ地域研究専攻)

 ある昼下がり、ふだんは村ではあまり目にすることのないリボンやフリルのついた可愛らしいタオルに包まれた赤ちゃんが、集まった女性たちの真ん中に座るおばあさんに手渡されました。彼女は、慎重に、けれど手際よく、水と洗濯石鹸を赤ちゃんの産毛にふくませ、カミソリで剃っていきます。 カメルーン北部では、生後1週間目に名づけ式inndeeriを行います。剃り終えると、子の名前が披露され、皆で一緒に祈り、最後にコーラナッツと飴玉が配られ、儀式はおわります。
赤ちゃんは女性たちの手から手へと抱かれ、わたしの番も回ってきました。11月は乾季もまっさかり、お昼近くの灼熱の太陽は、大きな木の下で木漏れ日となって、母たちのように、わたしの腕のなかの可愛い子を優しく見守っていました。

 

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid0p4aNkSbY29xigV52RL76EJsgDk56MseyTpYQ3ZC2QtMKjzcDvXqYVyE7dahKUn8gl
写真1:名づけ式のようす。剃り師のおばあさんのかたわらに、コーラナッツが入ったお盆とモロコシ粉と米が入ったボールがおかれ、出席した人びとはそれぞれ思い思いにそこにお金を投げ入れた。50フラン、100フラン…500フラン入れると大盛り上がりである。剃り師の報酬は、この参加者らの喜捨(お盆のお金)ですまされ、ボールのお金は母親に渡される。
写真2:村のおばあさんと赤ちゃん。剃った髪の毛は水でまるめて、家の敷地のすみに穴を掘って埋める。
写真3:村の女性たちとそのそばで名づけ式を見守る赤ちゃんの父親。そのうしろには、収穫を終えた黄金色のとうもろこし畑がみえる。

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