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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第二十回 「環境保全と環境破壊−寡欲と強欲の系譜」
 
 

Contents

1 環境破壊と植民地支配

土地との付合い方
2 雲貴高原の棚田

3 収穫季の棚田

4 新世界の大農場

5 ブラジル東北部のサトウキビ地帯

6 カナダの小麦地帯

林との付合い方
7 産米林−タイ系民族の開拓方式

8 破壊を招いた大規模開発

9 カナダ先住民の林

10 伐採会社の理屈

動物との付合い方
11 インド

12 カナダ

生態破壊の業
13 ラオスの不発弾

14 地球温暖化

  

2 雲貴高原の棚田

 雲貴高原には棚田が広い。日本、フィリッピン,インドネシアの棚田の原型がある。大きな山の上部に降る雨が流れ下る水を供給する。中腹斜面に土を切り盛りして作った棚田にその水を引いて稲を植える。雲南には新石器時代の棚田が出土する。畦壁は土のままも在り,石垣もある。棚田は稲基魚塘であり,畦壁の草は家畜の草場でもある。蛙、イモリの棲家にもなる。自然の利用と保全を実現した文化遺産である。持続し得る開発などと言う前からその精神を達成している。写真は雲南省元江県。