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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第二十回 「環境保全と環境破壊−寡欲と強欲の系譜」
 
 

Contents

1 環境破壊と植民地支配

土地との付合い方
2 雲貴高原の棚田

3 収穫季の棚田

4 新世界の大農場

5 ブラジル東北部のサトウキビ地帯

6 カナダの小麦地帯

林との付合い方
7 産米林−タイ系民族の開拓方式

8 破壊を招いた大規模開発

9 カナダ先住民の林

10 伐採会社の理屈

動物との付合い方
11 インド

12 カナダ

生態破壊の業
13 ラオスの不発弾

14 地球温暖化

  

13 ラオスの不発弾

 強大国が弱小国を支配しようとした最近の悲惨な例はヴェトナム戦争である。300万人を超えるヴェトナム人,200万人を超えるカンボジアとラオス人が殺され、アメリカ人兵士も5万8千人が死に、ほぼ同数が帰国後自殺をし、数十万人が負傷した。米軍によってインドシナ全域に1400万トンを超える砲爆弾、8万5千キロリットルを超える枯葉剤がばらまかれた。爆弾の破片と爆風で樹木や動物,人間を倒す効果は1300万ヘクタールに及び、枯葉剤で破壊された森林は240万ヘクタールと推定されている。この地域には今も不発弾が無数にある。写真は北ラオスの小さい宿場町ナムバックの民宿で見た不発弾のポスター。今も毎年犠牲者が出る。ヴェトナム兵もアメリカのパイロットも遺骨収集に来る。発見された遺骨は祭壇に置き、村人も一緒に合掌すると赤タイの奥さんが語ってくれた。