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2000年度目次(東南アジア地域研究専攻)

  第二十回 「環境保全と環境破壊−寡欲と強欲の系譜」
 
 

Contents

1 環境破壊と植民地支配

土地との付合い方
2 雲貴高原の棚田

3 収穫季の棚田

4 新世界の大農場

5 ブラジル東北部のサトウキビ地帯

6 カナダの小麦地帯

林との付合い方
7 産米林−タイ系民族の開拓方式

8 破壊を招いた大規模開発

9 カナダ先住民の林

10 伐採会社の理屈

動物との付合い方
11 インド

12 カナダ

生態破壊の業
13 ラオスの不発弾

14 地球温暖化

  

14 地球温暖化

 地球温暖化は温帯にいてはもうひとつ切実感にかけるが、氷河地帯では有無を言わさぬ証拠がある。カナディアンロッキーのバンフから少し北へいくとコロンビアアイスフィールドを通る。げんざいの氷河末端は2000メートルの高さにあるが、1919年には1950メートルにあり、80年間で約500メートル後退した。後退のマークが並ぶ状況を見ると、現実感が強まる。小間氷期という見方も消えてはいないが、しかし、炭酸ガス濃度が、今世紀に入って100ppmも増えたことも事実である。先進國の強欲が自然と人間の破壊を現実のものにしつつあると第三世界から非難される時、抗弁の余地は少ない。