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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第211号

■■■ January 2021 第211号 ■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 905】■■■■■

__今月号の目次 Contents__________________

□ フィールド便り............. 土を食べる
□ メルマガ写真館............. コロナから離れた森での甘い時間
□ お知らせ................... オープンキャンパス
□ 講演会・セミナー情報....... アフリカ地域研究会など
□ 最近の出来事............... Facebook・Twitter情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「土を食べる」
髙村(井上) 満衣(アフリカ地域研究専攻)

 初めてタンザニア、キゴマ州のフィールドをまわったとき、私は小学生の子どもたちに村を案内してもらいました。その子どもたちの中になぜか唇が真っ白になっている男の子がおり、彼に何が起こったんだろうと、私はその子から目が離せなくなりました。彼に理由を聞くと、ペンバを食べたのだと教えてくれました。しかし、その子の手に乗っていたそれは、私にはどうしても食べ物には見えませんでした。
 それもそのはず、ペンバ(pemba)とは土の塊でした。この村では、土に水を混ぜ、丸めて円柱状にし、乾燥させたものをペンバといい、食用します。スワヒリ語で土を意味するウドンゴ(udongo)と呼ばれることもあります。赤土はキゴマでとれたもので、食感はジャリジャリしていました。一方、ブルンジから運ばれてきたものは白土で、キゴマの土にくらべて値段は高いのですが、不純物がほとんど感じられず、粉っぽく、まるでチョークを食べているような感じがしました。味は両方とも土そのものです。
 ペンバは主に女性が作っており、村ではあちらこちらでペンバを乾かしています。村を通る大通りでは、大型トラックにペンバを積み込む様子がみられます。これらは、約1,200キロ先の経済都市ダルエスサラームまで運搬され、タンザニアの他の地域でも食べられています。キゴマの村では、個人商店でも売られており、村の多くの人に親しまれています。
 特に妊婦がペンバを食べることが多く、鉄分などの必要な栄養を摂取していると言われています。私のホームステイ先のママは、「急にペンバが食べたくなったら、妊娠しているのよ」といい、続けて「妊婦期は毎日のように食べている」と語っていました。子どもは男女問わず食べていますが、大人になると女性の方がペンバを好むようです。
私自身は、妊娠した時には酸っぱいキウイフルーツやフライドポテトを食べたいと感じることが多かったのですが、もしタンザニアにいたら、私もペンバを食べたくなっていたのかなとふと思い出していました。そして妊娠期にペンバを食べていたら、最初の印象とは違う味に感じられたのかもしれません

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3750582928321365


写真1: ペンバを作る女性たち


写真2: キゴマの土で作ったペンバ


写真3:ブルンジの土とその土で作ったペンバ
            

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「コロナから離れた森での甘い時間」
関野 文子(アフリカ地域研究専攻)

ここは村から歩いて50kmも離れた深い森、みんなが大好きな蜂蜜を採集しています。昨年の3月末、カメルーンの狩猟採集民バカの・・・

(続きと写真は次のURLをご覧ください。)
第176回 「メルマガ写真館」
(上記の写真館については次のFacebookでもご覧いただけます。) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/3750120858367572 ========================================================== ■ お知らせ Announcements ========================================================== ────────────────────── □ 専攻別 2021年度 オープンキャンパスの開催 ────────────────────── *詳細情報と申込方法は下記の研究科ウェブサイトで公開しています。   ◆ アフリカ地域研究専攻 第1回オープンキャンパス2021 日時:2021年3月27日(土)14:00-16:30 オンライン会議システムZoomでの開催となります。 参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/africa20210327/ ========================================================== ■ 講演会・セミナー情報 Lectures, Seminars ==========================================================  ──────────────────────────────── □ International Workshop - Poster Session: The Role of On-site Research for Innovation & STEAM Education ──────────────────────────────── 日時:2021年2月7日(日)14:00-15:00, 17:15-17:35 プログラム: - Poster session: 14:00-14:10 Opening remarks 14:10-14:55 Online poster session 14:55-15:00 Closing remarks - Short presentation: 17:15-17:35 Short presentation of the poster session https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9411 主催:Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas, Lifelong Sciences: Reconceptualization of Development and Aging in the Super Aging Society [No.20H05806]; SATREPS-MNGD Project [JPMJSA1807]; Medical-Local Knowledge Research Network Using ICTs for Identifying Effective Health Practices in Africa [SPIRITS]; JSPS Scientific Research Fund-B on Reconsidering the Concept of Waste and Formation of Materiality in Africa [No.18H03444]; Center for African Area Studies, Kyoto University. *お申し込み(1月31日締め切り) 本ワークショップは、Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。以下の専用フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。なお、国際ワークショップ "International Workshop on Medical-Zairaichi" と共通のフォームになります。 https://bit.ly/2UWGB6d ────────────────────────────────── □ International Workshop   on Medical-ZAIRAICHI, a Medical-Local Knowledge Research Network ────────────────────────────────── 日時:2021年2月7日(日)15:00-18:00 演者:Dr. Mirgissa Kaba(Addis Ababa University)    Dr. Beatrice Mwilike(Muhimbili University                    of Health and Allied Sciences)    新福洋子(広島大学)、金子守恵(京都大学)、西真如(京都大学)、    青山朋樹(京都大学)、谷口京子(広島大学) プログラム: 15:00-15:10 Opening remarks 15:15-15:55 Keynote speech 16:00-17:15 Oral presentation 17:15-17:35 Short presentation of the poster session 17:35-18:00 Discussion
International workshop on Medical-ZAIRAICHI, a Medical-Local Knowledge Research Network
主催:Medical-Local Knowledge Research Network Using ICTs for Identifying Effective Health Practices in Africa[SPIRITS],    Center for African Area Studies, Kyoto University,    JSPS Scientific Research Fund-B on Reconsidering the Concept of Waste and Formation of Materiality in Africa [No.18H03444] *お申し込み(1月31日締め切り) 本ワークショップは、Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。以下の専用フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 https://bit.ly/2UWGB6d ─────────────── □ 第251回 アフリカ地域研究会 ─────────────── 日時:2021年3月9日(木)15:00-17:00 演者:楠 和樹(日本学術振興会・特別研究員PD) 演題:サバンナを統治するーケニア乾燥地域における権力の系譜学 主催:京都大学アフリカ地域研究資料センター    日本アフリカ学会関西支部 https://www.africa.kyoto-u.ac.jp/archives/9055 *本研究会は、2019年度総長裁量経費(若手研究者に係る出版助成事業)による成果に基づき、アフリカ研究出版助成記念講演として開催されます。 *お申し込み 本研究会は、Zoomによるオンライン会議形式での開催を予定しています。以下の専用フォームに必要事項を記入の上、お申し込みください。 https://forms.gle/3SKe1vkctm4idgA8A ・締め切りは、開催日前日の2021年3月8日17時です。申込者にZoomの招待URLをお伝えします。 ・インターネットに接続されたスマートフォン、タブレット、パソコンがあれば、簡単にご視聴いただけます。 ========================================================== ■ 最近の出来事 Recent Topics ========================================================== ──────────── □ Facebook・Twitter情報 ──────────── FacebookとTwitterから最新情報を発信しています。是非ご登録ください! ○ 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS) https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/ https://twitter.com/asafasprcc ○ 東南アジア地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/AsafasAsia/ ○ 東南アジア地域研究専攻生態環境論講座Facebook https://www.facebook.com/asaseaeco/ ○ アフリカ地域研究専攻 Facebook https://www.facebook.com/ASAFASAfrica ○ グローバル地域研究専攻Facebook https://www.facebook.com/京大アジアアフリカ地域研究研究科グローバル地域研究専攻-545053518980616/ ○ 京都大学アフリカ地域研究資料センター https://www.facebook.com/CAASKyotoUniv/ http://twitter.com/Africa_Kyoto_U http://twilog.org/Africa_Kyoto_U ========================================================== ■ 編集子より From the Editor ========================================================== 「落ち着いて過ごそう」という古老のかけ声とともに、森に暮らす者ならだれもが馴染んできた蜂蜜のやさしい甘さが口のなかにひろがる。森の奥で繰りひろげられる人びとの小さな歓喜と喧噪からは、しかしこの森も、危機とは無縁ではないということを、突きつけられる―。  2020年、すっかり変わってしまったかにみえる私たちの「日常」は、2021年も引き続き、私たちのそばから離れない。そこでは、もともと内在していた問題が、明瞭なかたちで表出してきたと考える方が、しっくりきそうなことも多い。  その困難のなかでなお、私たちが生きるための日々を噛みしめ、捉え損なわないようにするには、今月号のエッセイの著者たちが自身の舌で触れ、味わったように、みずからの感覚を手放さないこと、そして、そうした具体的な体験にもとづく出来事を、大げさではない言葉で書き記し、読者とともに反芻していくという作業が、ささやかだけれど肝要なのかもしれない、と気づかされるのだった。(Y.K.) ========================================================== □ メールマガジンに対するご意見・ご感想お待ちしております。   http://form.mag2.com/gianoubima ========================================================== ◆ このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。 ◆ ご意見・ご感想を以下フォームよりお気軽にお寄せください。掲載希望の記事や研究会の案内なども受け付けています。 宛先:http://form.mag2.com/gianoubima ◆ バックナンバーは、こちらのページから読むことができます。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/melmaga/ ◆ このメールは「まぐまぐ!」を利用して配信しています。新規登録・解約は下記ページにてお願いします。 https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/magazine/ ========================================================== ■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 編集/発行: 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会 ASAFASキャリア・ディベロップメント室 ASAFAS次世代型アジア・アフリカ教育研究センター 臨地教育・国際連携支援室 協力: 京都大学 アフリカ地域研究資料センター ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

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