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地域研究情報マガジン

アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第250

■■■ February 2024 第250号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,098】■■■■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ 令和6年度ASAFAS新入生オリエンテーションにおける研究科長のあいさつ
□ メルマガ写真館.................. 「船を待つ」
□ お知らせ....................... アフリカ地域研究専攻 オープンキャンパス
□ 最近の出来事................... Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より 「アフリカ祭」
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■ 令和6年度ASAFAS新入生オリエンテーションにおける研究科長のあいさつ Message from the Dean
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山越 言(アジア・アフリカ地域研究研究科 研究科長) 

 みなさん、ASAFAS(アジア・アフリカ地域研究研究科)への入学おめでとうございます。本日、この稲盛財団記念館から外に出てすぐの、鴨川に架かる荒神橋からは、京都の山々を背景に満開の桜を眺めることができます。京都はたいへん自然が美しい街です。 
 私たちASAFASの、いわゆる「川端キャンパス」は、他の地域研究関連部局である東南アジア研究所、アフリカ地域研究資料センターとともに、この荒神橋の袂に位置しています。しかし、残念なことに、東南アジア地域研究専攻とグローバル地域研究専攻は、百万遍近くの本部吉田キャンパスの中にあり、二つに分断されているのが現状です。私たちは、なんとかしてASAFASの3専攻が荒神橋のたもとに一カ所に集まれるように、さまざまな要求、努力をしているところです。
 16世紀末の戦国時代、豊臣秀吉が御土居と呼ばれる土塁で京都の町を囲いました。そして、街中から出るための7ヶ所の「口」を設けました。私たちがいまいるこの場所は、荒神口と言われる「口」の一つです。荒神口を出ると、荒神橋を越え、すぐ先に京都の街の北東方向の守りである吉田神社が鎮座します。荒神口はいわゆる「鬼門」となるわけです。道は吉田山の北端から北白川へ、いわゆる山中越えにつながり琵琶湖へと向かいます。
 みなさんの多くはアジア・アフリカ地域の研究のため、これから世界各国に旅立って研究を始めることでしょう。ASAFASは、そんなみなさんの旅立ちを支援する「口」、京都と世界を繋ぐゲートウェイでありたいと望みます。この荒神口の川端キャンパスで学んだみなさんが、京都から外の世界へ、鬼が待つかもしれない過酷なフィールドワークへと旅立ち、大きな成果をこの京都に持ち帰ってくることには、偶然ではありますが、京都の長い歴史との深い因縁を感じます。
 荒神橋と地域研究との因縁について、もうひとつ印象深い逸話があります。いまからほぼ百年前、京都の西陣で育ち、当時の京都一中、第三高校で学んだ一人の少年がいました。彼は、近衛の一中への通学路であった荒神橋から友人らと北山の峰嶺を眺め、地図を片手に北山登山の着想を得たといいます。今西錦司というこの少年と友人らは、中学時代に「山城三十山」登頂を成し遂げたのを皮切りに、戦前の朝鮮半島、南洋諸島、満州、内蒙古での探検や人類学的総合調査調査、戦後にはヒマラヤでの学術探検や登山活動、 ニホンザル研究からアフリカでの類人猿、化石人類、狩猟採集民研究へと、その活動を展開し、いま「探検大学」とも呼ばれる京都大学の海外調査の伝統を造り上げました。彼もまた、鬼門の荒神橋から北山を眺め、ヒマラヤへ、アフリカへと旅だったのです。
 本日は、入学したみなさんを「いらっしゃい」と歓迎する式ですが、みなさんに「行ってらっしゃい」と声をかけるのはそんなに先のことではありません。みなさん自身のフィールドワークへの旅立ちの前にぜひいちど、荒神橋の上から北山を眺め、私たちの先輩が築き上げた地域研究の歴史に思いを馳せてみてください。
 
(上記記事に関する写真は次のFacebookページでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/920734126516752?ref=embed_post

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「船を待つ」
髙橋明穂(アフリカ地域研究専攻)
この浜で貝割りの仕事見習いをしている。ここでの名前はアミナ。太陽が真上にあがるころ、浜の日よけの下には人がちらほらと集まってきた。浜仕事で使うバケツ、だれが持ってきたのかわからないプラスティックの椅子、そして砂。みんな好きなように座って、楽しくおしゃべりを始める。赤ちゃんをあやしたり、家族写真を見せたり、そうかと思えば誰かがバケツを叩く音にあわせて踊りだす。ふと海に目をやると、鮮やかな船が漁師とトゥファ(貝)を乗せて戻ってきた。それまで浜の少し高いところで座っていた人たちが、腰を上げて船のほうに向かう。いまから浜仕事が始まるのだ。ポシェットをぶら下げた女性が漁師と仕入れ値の交渉をし、貝を待つ女性が丸く円を作って座る。腰まで海水につかりながら、戻る船を次々と陸に引き上げる人。浜仕事にはこまごまとした仕事が沢山あって、彼/彼女らはその時々で自分のふるまいを変えながら、水揚げされたものが滞ることなく次あるべき場所に向かうようにと動いている。“Kaay Amina, doo toj toufa bi?(おいでアミナ、トゥファを割らないの?)”見るより手を動かせ。貝を割る仕事が私を待っている。

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/920741293182702?ref=embed_post

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ お知らせ Announce
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□ 専攻別 2024年度 オープンキャンパスの開催
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◆東南アジア地域研究専攻 オープンキャンパス 
日時:日時:2024年5月18日(土)13時~17時頃
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-asia2024may/
*オンラインのみでの開催となります。   
*詳細情報と申込方法は上記の研究科ウェブサイトで公開しています。
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◆ アフリカ地域研究専攻 オープンキャンパス 
日時:日時:2024年5月25日(土)14時~16時30分頃
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/africa20240525/
*オンラインのみでの開催となります。   
*詳細情報と申込方法は上記の研究科ウェブサイトで公開しています。
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◆ グローバル地域研究専攻オープンキャンパス 
2024年5月25日(土)13時30分~18時頃
場所: 総合研究 2 号館⼤会議室( AA447) 開催
参加申込URL:https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/oc/oc-global2024may/
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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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○ 京都大学アフリカ地域研究資料センター
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■ 編集子より From the Editor
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「アフリカ祭」
今日は、アフリカ専攻の最もといっていいほど重要な年間行事のひとつ、「アフリカ祭り」の日です。稲盛財団記念館の3階の100メートルを超える廊下では朝からアフリカ各地の名物料理を調理する良いにおいが漂い、いそいそと準備をする院生さんたちの姿があります。なんと、1986年ごろから開始されたというこの「アフリカ祭」当初からフィールドの料理を皆で作って語り明かしたり、ヤギやイノシシ、とれたての魚などを解体して中庭で焼いたりすることが常であったとか…。コロナ期の3年間の休止期間を経て去年から再開。令和流に「モダナイズ?」された今年の祭ではどんな料理が食べられるのでしょう。今から楽しみです。(K.A.)           

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◆ このメールマガジンは、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会、ASAFASキャリア・ディベロップメント室、ASAFAS臨地教育・国際連携支援室より発行しています。

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
ASAFAS キャリア・ディベロップメント室
ASAFAS 次世代型アジア・アフリカ教育研究センター
    臨地教育・国際連携支援室
協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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