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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第249

■■■ February 2024 第249号 ■■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1,088】■■■■■■

___________今月号の目次 Contents__________

□ フィールド便り............. 「マヤ」と呼ばれた日から
□ メルマガ写真館........... 中央アジア・ウズベキスタンの「山の民(togʻchi)」と羊のおしごと
□ お知らせ................. NHKワイルドライフ
□ 最近の出来事............ Facebook・X(旧Twitter)情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「『マヤ』と呼ばれた日から」
秋田日和(グローバル地域研究専攻)

 「ミズ(Mis.)!ミズ!」今日も子どもたちが私を呼びつけます。出て行けば最後、暗くなるまで連れ回されてクタクタになること間違いなしです。トレッキングシーズンでもないのに1か月も滞在する「よそ者」の私は、子どもたちの格好の興味の的でした。
 私の調査地は、ネパール中部の高山地域。ヒマーラヤ地域の子どもたちの遊びについて関心がある私は、ロッジに寝泊りしながら隣接する学校に毎日通っていました。
 この学校には、日本で言う幼稚園~高校くらいまでの生徒が80人程度通っています。この村では学校に通っていない子どもというのはもはやいないようですが、子どもたちがみんな学校に来ているのに、先生が不足していました。先生が来ないので、授業時間中にもかかわらず子どもたちは好き勝手に遊んでいます(遊びのことを知りたい私としてはむしろ好都合と言えるかもしれませんが…)。特に、10歳クラスはいつ行っても先生がいるのを見たことがないレベルで、色々なクラスを見て回りたいのに、暇しているこのクラスの子どもたちにいつも呼び止められます。子どもたちは私の名前を一応は覚えてくれたものの、発音しにくいらしく、私はいつまで経っても「ミズ!ミズ!」と呼ばれていました。
 後で聞いたところによると、先生が足りていないのは、給料が安いことと、「寒いから(先生が来たがらないため)だ」とのことでした。寒いのは先生だけじゃない気がしますが…。
 そんなある日、いつも通り教室に行って子どもたちと遊んでいると、また「ミズ!ミズ!」と私を呼ぶ声。この男の子はこうして毎日私のことを強く呼びつけてきます。さすがに少し苛ついてきた私は、「私の名前はミズじゃないよ!でも呼びにくいなら何かネパール語のニックネームを付けて」と言ってみました。するとすぐさま、隣の女の子が「マヤ!」と名付けてくれたのです。マヤの意味は「愛」。短い滞在期間の中で、少しは子どもたちに受け入れてもらえたのかな、と感じた嬉しい出来事でした。

写真1:朝早くから、大人を手伝って薪を取りに行くために荷台に乗り込む子どもたち。ピクニック気分でワイワイしている。学校に遅刻するのは気にしない。 
写真2:写真2:ツンギ(Chungi)という輪ゴムを束ねたボールで遊んでいる。
写真3:砂場で山を作るときは、必ず最後にサラサラの砂をかけて雪を表現する。ヒマーラヤの高峰が見える村に住む彼女たちにとっては、山といえば雪山が当然のイメージなのかもしれない。

(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02w8zSDr6xCizHwPVhbXWFziJ4FzVsKYPhFfaWTBNsgbmGZcTqpb2Lzk8xRJ8WpxFDl

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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「中央アジア・ウズベキスタンの『山の民(togʻchi)』と羊のおしごと」
志田夏美(グローバル地域研究専攻)

 その集団名が示すとおり、ウズベキスタンの山奥には半遊牧的な生活を営む牧畜民が暮らしています。彼らは自家用に絨毯を手作りしていて、私はそれを習いにやってきました。
 絨毯の材料にもなる羊毛を刈るひと月くらい前、「先に洗っておく」ということで、そろそろ毛が生え変わりそうな羊たちを集めて、川にまるごと流し入れて洗っていました。はじめは臆病な羊を人力で入水させていくのですが、ある程度川を渡った仲間が増えると羊たちは自ら入水していきます。だからこれは羊のおしごと風景でもあります。
 この時期の川は雪解け水で赤く染まるのですが、そんなのおかまいなしでした。そして、毛も乾かぬうちに羊たちは再び山へと放たれてゆくのでした。

写真1:入水のつとめを終え、家路を急ぐ羊たち
写真2:川の流れに身をまかせ、中州にあつまる仲間のもとへ
写真3:毛が生え変わりそうな羊だけを選り分けるため、親族協同で人壁をつくる
写真4:川浴びからほどなくして羊たちは土煙をあげながら再び山へと去っていく
写真5:ふだんは牧人(choʻpon)に預けるため、所有世帯ごとに耳の刻み方を分けている

(上記メルマガ写真館に関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid0224FR1g1YNfBBbkE6x9WDPyx7Bwj5VWzrdePuHA2BL7t6TQxGPxiPFfYFefwCRw1Yl

(過去のメルマガ写真館は、次のURLからご覧いただけます。)
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/photoessay/

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■ お知らせ Announce
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◆NHKワイルドライフ
「命輝くモンゴルの夏 オオカミの子どもが躍動 幻のゴビヒグマに挑む」
 (木下こづえ先生がご監修に携わっておられます)
○BS放送(2K) 
2024年4月1日(月)19時30分~
再放送 4月8日(月)9時25分~
※BS放送の詳細はまだホームページに掲載されていません。
予告動画はBS放送の1週間ほど前にUPされます。
https://www.nhk.jp/p/wildlife/ts/XQ57MQ59KW/episode/te/7W21W1J8GW/

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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■ 編集子より From the Editor
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  2月後半、ネパールのカトマンドゥに降り立ち、空港から宿泊先に向かう途中、何やら違和感を覚えました。道路にごみが全然なかったのです。ごみがないだけで、街の雰囲気がこんなにも変わるのかとびっくりしました、ごみだらけの頃が、ちょっと懐かしくも感じました・・・。(Y・T)

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京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
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協力:
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