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アジア・アフリカ地域研究情報マガジン 第230号

■■■ August 2022 第230号 ■■■■■■■■■■■
アジア・アフリカ地域研究情報マガジン
ASAFAS INFOrmation Magazine
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/
■■■■■■■■■■■■【発行部数 1017】■■■■■

__今月号の目次 Contents__________________

□ フィールド便り............. 都市での調査の思いがけない楽しみ
□ メルマガ写真館............. 村の日常で見つけたジャワ文化
□ お知らせ................... 入試日程
□ 最近の出来事............... Facebook・Twitter情報
□ 編集子より
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■ フィールド便り Letter from the Field
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「都市での調査の思いがけない楽しみ」
津田理沙(東南アジア地域研究専攻)

カンボジア王国の首都プノンペンは、多くの外国人が暮らし、行き来する「国際都市」。その分、市内には世界の多様な地域の料理を扱うレストランがあります。特に観光客や移住者が多い地区では、フランス料理、インド料理、韓国料理、日本料理、レバノン料理などのお店が多く並び、中には日本で馴染み深い有名チェーン店も見られます。

そんな中、この日思いがけず「エチオピア料理屋さん」を発見しました。ASAFASには、アフリカ、東南アジア、グローバル地域研究専攻があり、様々な地域を研究する人と交流できるのが魅力のひとつです。アフリカ地域研究専攻の院生から、エチオピアの主食、「インジェラ」について教えてもらっていた私は、すぐさまランチをここに決めました。インジェラとは、テフという穀物の粉を水で溶いて発酵させクレープ状にしたパンのこと。日本では東京にしかエチオピア料理店がないため、いつか食べてみたい、と憧れていたのです。

私が頼んだのは、ヴィーガン・インジェラ・プレート(6USD)。お皿に大きくクレープ状に広がるインジェラの上に、おかずが5種類載っています。お皿の上部茶色のペーストから時計回りに、ピリ辛のもの、優しい味のもの、野沢菜漬っぽいもの、柔らかく蒸したキャベツやにんじん、食感の良い豆です。ヴィーガンでなければ、ここにふたつ、肉のおかずが加わります。日本では「酸っぱいクレープ」「お、美味しい…?!」などと微妙な噂を聞きますが、インジェラの優しい酸味とスパイス効かせた5種類のおかずがよく合い、私はとても気に入りました。それにしても、カンボジアでエチオピア料理に出会えるとは。都市で調査をしていると、調査国の料理だけでなく、いつもはあまり馴染みのない国の料理を食べられる楽しみもありますね。思いがけない出会いを嬉しく思うと同時に、プノンペンが多様な地域の人びとが行き交い暮らす国際都市だということを再認識しました。

ちなみに、カンボジアの家庭料理も野菜をよく使い、少しのおかずに山盛りのお米を合わせて食べます。おかずと一緒に主食をたくさん食べる点では、似ているかもしれません。カンボジアの家庭で炊飯器を回しあいながら食事したことを思い出しつつ、エチオピアでもそうなのかしら、と、インジェラを前に思いを馳せました。(2022.07.24)

【参考資料】
下山花(2019) フィールドだより「『家出』体験記」アジア・アフリカ地域研究情報マガジン第190号:2019年4月. (2022年8月13日最終閲覧:https://www.facebook.com/ASAFASAfrica/posts/2274352102807220写真1(メイン):中央の赤いお皿に盛られ、上におかずが乗せられたクレープ状のものがインジェラである。右奥の赤いカンボジアスタイルの紙ナプキン入れとのコラボがまた良い。
写真2:カンボジアの食事風景。写っていないが、奥におひつがあり、誰かの皿のお米がなくなると、誰かがすかさずよそう。


(上記フィールド便りに関する写真は次のFacebookでご覧ください。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid0Ss7RCGh7w9S76jKToRjzvaGAuAZQxX8XCVa7JYnHUusznJoKeP2FUfKy1ennkReNl


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■ メルマガ写真館 Photo Gallery
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「村の日常で見つけたジャワ文化」
杉野 好美 (東南アジア地域研究専攻)

インドネシアにはジャムウという伝統的薬草飲料があります。私は、行商婦人(薬草飲料を手作り販売する)とそのジャムウが、農村の人々の健康や暮らしにどのように役立っているか調査をしています。調査地は、中部ジャワ州スコハルジョ県で、王宮のある街に隣接し、郊外には農村風景が広がっています。
毎週木曜日がバティック(ろうけつ染の布地)を着る日です。中学生の制服もバティックになり、模様は、数種類のジャムウをかごに背負った行商婦人や、民族音楽であるガムランの打楽器の奏者、太鼓、弦楽器等、地域の文化が表されています。
また、村の家は赤土の瓦屋根が特徴的で、伝統的な家屋も点在しています。屋根の中央上に、アルミ製の家の番地とワヤン(影絵芝居)等のキャラクターを飾っている家があります。これは家人の好みで選んでいるそうです。ジャムウ行商婦人や農家の飾りもありました。
何気ない日常の暮らしや風景から、ふとした瞬間に、研究に関係したものが見つかると思わず嬉しくなります。

写真1:中学生のバティックの制服(女子)
写真2:中学生のバティックの制服(男子)
写真3:アルミ製のジャムウ行商婦人や農家の屋根の飾り

(上記の写真については次のFacebookでご覧いただけます。)
https://www.facebook.com/asian.african.area.studies/posts/pfbid02dwA3EXszPMyWXNWMETfWTiiaTSch5Nzvxmwy1emfvzGAYCgiN7mMm8AYVycQgJ5rl


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■ お知らせ Announcements
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□ 2023年度 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 入試日程
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◆ 第1回入学試験(東南アジア地域研究専攻・アフリカ地域研究専攻・グローバル地域研究専攻)
出願期間:令和4年8月18日(木)~8月24日(水)17時必着
試験日程:令和4年9月7日(水)、8日(木)

*募集要項等の詳細は下記研究科ウェブサイトで公開しています。
https://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/admissions/application/

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■ 最近の出来事 Recent Topics
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□ Facebook・Twitter情報
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■ 編集子より From the Editor
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この夏、数年ぶりに学生たちが海外渡航を開始しました。その多くが初めての海外でのフィールドワークに挑みます。初めての環境で、物事がなかなかうまく進まないことも、きっとあるでしょう。そんな中、帰国の日は確実に迫ってきていて、「データを取る」という目標が重くのしかかり、不安がつのることもあると思います。そんな時には、肩の力を抜いて、時にはフィールドワークに没頭する毎日から一歩離れることも大切な気がします。そうすることで、今回の配信の中で紹介された、バティックに描かれたジャムウ行商婦人や、カンボジアで味わったエチオピア料理のように、予想もしなかったところから、研究対象のその社会における重要性や、調査地の特徴を理解する瞬間が、きっとあるように私は感じています。そこから研究への新たな見方や活力を得つつ、また一歩前進してもらえたら、と願っています。(S.M)

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編集/発行:
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)広報委員会
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協力:
京都大学 アフリカ地域研究資料センター
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